非同期式回路の設計技術と応用

1. 低消費電力・エネルギーの必要性

様々なコンピュータシステムにて、低消費電力・エネルギーが求められる


2. 同期式回路と非同期式回路

<同期式回路>
回路全体をグローバルクロック信号で制御

  1. 現在のデジタル回路(プロセッサなど)の主流
  2. 構成する部品(トランジスタ)の微細化によって、以下の問題が顕著に
    • データ転送における同期の失敗
    • クロック信号における電力消費

<非同期式回路>
個々の回路部品をローカルな要求・応答信号にて制御

  1. グローバルな信号がないため、潜在的に低消費電力・低電磁波干渉
  2. 同期式回路と比べ、設計が困難
    • 設計支援ツールも充実していない


3. 研究の目的

  1. 非同期式回路の設計技術の擁立
  2. 応用による有用性の実証

<設計技術>

  1. 設計フローの提案
  2. 同期式回路で用いられている、標準的な設計フローや設計支援ツールをベースにすることで、非同期式回路の設計を容易に

  3. 設計支援ツールの開発
    • 設計の一部をコンピュータに行ってもらうことで、設計を容易に
    • 性能や消費電力の最適化
    • 設計の早期段階で面積や性能を評価することで、非同期式回路の効果を測る

<応用>


4. 設計支援環境の現状

設計フロー


5. 応用の現状

プロセッサの設計


6. 今後の研究

設計技術

  1. 設計支援ツールの開発と評価
  2. 設計の早期段階で性能概算
  3. 消費エネルギー最適化手法
  4. テスト
  5. 周辺回路とのインターフェース

応用

  1. 画像処理回路や暗号回路の設計
  2. 低消費エネルギーなエッジコンピューテシングダバイスの開発